「足から老いる」と言われます。長年、この仕事をしていますと、そう思うことがあります。畳のへりにつまづいたり、床に置いたものに足をひっかけたり、頭では足を上げたつもりでも、なぜか足が上がっていないなんてことがあります。では「足元から老いる」とはどういうことなのでしょうか?当院では、まず立った姿勢で足元が良いのか悪いのか見ていきます。外くるぶしから床に垂直線を引いて床に目印をつけます。良い足元は、目印から踵の端までの長さを1とした場合、目印から第5中足骨頭までの長さが3~4の範囲にあり、足元は体の重みを効果的に支えています。悪い足元は、目印から第5中足骨頭までの長さが5以上になり、からだの背部の支えが最小で、アキレス腱が硬く、膝関節が外旋位で過伸展し、お腹が前にでて骨盤が前傾する傾向にあります。そうなると、つまづきやすく、加齢とともに足元が変形し「悪い足元」になってしまいます。加えて、膝関節外旋位になりやすい人は、膝を一度痛めると、外旋の癖がつづくかぎり膝痛を頻発します。当院では、膝の治療は足元から上半身にかけてファシアと呼ばれる組織も調整し、膝関節が普段から過伸展にならないように施術しています。